2006年9月17日日曜日

本日の午後

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午後をまったり東博ですごす。

こういう曇り空の日は庭園を見下ろす2階の大きな窓から
雲の流れを眺めるのもよいのです。

浮世絵や考古展示室でボランティアガイドの方のレクチャーをうけたり。
ひっそりしたラウンジで次回の特別展準備のトンカチの音を聞いたり。




抱一の「夏秋草図屏風」展示が明日までだった。
有名作品のためなにかと資料や本でみるため既に1回くらいは見ているような
気がしてたけど、印象が薄い。
実際、実物を目の前にすると、やはり、実物は見た事無かったんだ。よかった。
この凸型になる印象的な屏風はもとより、秋の嵐の前に吹きはじめる
乱れた風の音を一度観たら忘れ様がない。

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重文 夏秋草図屏風 
酒井抱一筆 
江戸時代・19世紀 
東京国立博物館蔵


おもむろに吹きはじめ徐々に強さを増して行く風に煽られる秋の草、
夏が過ぎ穂を開きそめた、まだ柔らかな薄に、
抱擁を与えたくなるような母性すら感じてしまう。
光琳と表裏を成すこの絵に向かうときの抱一の思い入れと、万象への愛。
どんな衝動が筆をすすめてたんだろう。




「重文 夏秋草図屏風 酒井抱一筆」 公開
本館7室 2006年8月8日(火)〜2006年9月18日(月・祝)

2006年9月16日土曜日

本日のせんせい

鶴岡八幡宮にて流鏑馬神事
秋の流鏑馬神事は小笠原流一門によるもの。
厳かに執り行われる祭儀に一つ一つが快い緊張感。
流石です。

歩射の門人もお役を勤められ、ご奉仕をされる。
今年はやぶさめの扇形を我が先生がお役されるとのことで子供のとき以来のおでかけ。

1時をちょっと回ってしまい、参道の人をかき分けてすすむ。
馬場の廻りは物凄い人。
流行ってます。

これじゃ東の馬場元で扇を揚げる先生の姿も見えない。
せめて装束姿をちょっと見たいので県道へ出て舞殿へずんずん進む。
よかった。本宮下の若宮でのご祈祷が終了するぎりぎりに到着。







しゃんとしてる。先生凛々しいです。
馬場元役は鎧直垂、世が世なら武家の礼服といったところ。

戦争だったら行かないけど、「戦」だったら出向かれるんだろうな。

鎌倉なんだな・・・。
場所が場所だけに、思いを馳せれば切なくなる。
騎乗の前、出陣の祈念に古の人は何を思ってたんだろう。








儀式を終えて騎乗した射手の姿は宿った何かがあるように凛々しい。

・・・かったんだけど、写真へたくそでごめんなさい。

流鏑馬三騎、平騎射15騎、気迫の疾走は思わず歓声をあげてしまう。







東 馬場元扇形

よかった、みれた。
どうにか辛抱し、疲れて帰って行かれる人を待ち、ちょっとずつ前に行って
最後の3射手で先生の雄姿が・・・。遠いけど。






限り無く引き分けの途中。すぎ。
物凄く苦しい所で止めさせてしまったようで。
花火の時と同様、見てしまうのでシャッターチャンスがめちゃくちゃ。
ごめんなさい。

荒ぶる馬を御し、埒に向かうと同時に全速を出し的に向かう。
日々の鍛練に尽くされるものの大きさが尚の感動を起こします。
戦国の女達が気丈になって行くのが解る気がする。



埒は、馬場に張られた制御の為の柵。
「埒もつかぬ話」と大河ドラマでよく聞く台詞、これがその「埒」。
神殿側が雌埒、的側が雄埒、雄埒の方がやや高めの杭となっている。
弓道では、弓を持つ手が「ゆんで(雄手)」矢を番え弦を引く手が「めて(雌手)」
馬は東から西の馬場末へ走り抜ける。つまり、雄雌が一致している。夫手、妻手、とも。
この2つの相対は陰陽道に基づく思想なんですね。
こうやってとっちらかったまめ知識がだんだん繋がって来ると、
増々楽しくなる。(不謹慎。興味深くなる。に訂正)


最近では源平池といっても、何?と聞かれる事が多くなったけど、
昔は、東側の大きめの池が源氏池として白い蓮
参道をはさみ西側が平氏池とした赤い蓮がきっちりとわけられて咲いていました。
今はまざっちゃってるけど。
それぞれの池には小島があり、源氏池には3つ、「産」をもじり、栄える意味として、
平氏池には4つの小島、つまり、滅亡の「四」。
美しい池にも調伏の祈念があるのは、時代を築いても尚儚い時の流れをみるようで、
少し胸がしくしくする。

関の東にも雄大なドラマがございますのよ。

勝烈庵 鎌倉店

鎌倉駅前の勝烈庵でランチ。


かつれつ丼:所謂ソースカツ丼。結構甘くて味噌っぽい。
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丼ごはん食べっぱなしのようなきがするけど。
食欲の秋だ。ごはんが食べたい。
白米は苦手なのでどうしても丼ごはんになってしまう。

量はフルボリューム。
蜆のお味噌汁とキャベツ、お新香がついてる。
お味噌汁、まいうーーー。
「キャベツはおかわりできますので」と優しくおとーさん。

お店の方はみんな感じが良くて、
内装もテーブルや椅子も凝っててスキ。
椅子がかわいいのです。
棟方志功の絵が多様されているのはやはり何か故あってなのでしょうか。

感じが良い故に、細かなお気遣いは、キャベツのおかわりを聞きに来てくれる。
無理です、おとーさん。
この気前の良い丼を平らげるのにも危機を感じていたのに、
これじゃ残せないじゃん。
フタ付いてこなかったし。


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各テーブルに筮竹が・・・。




2006年9月15日金曜日

さ和鳥 - 麻布十番

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道頓堀今井があるからいいやとか、舌の根も乾かぬうちに、
涼しくなったのでさ和鳥 - 麻布十番
やはり美味!
これがもうすぐ食べられなくなるのは悲しい。

当分、十番reminds。







以下、「todo」

豆源
白水堂のカステラ切り落とし。
a Caveこれはヒルズ内でいい。
サンモリッツ名花堂のロールケーキ
ホームワークス
魚可津命がけでアジフライ。涼しくなれば大丈夫。
あべちゃんで焼き鳥丼のランチ
紀文堂ワッフルカスタード





本日のかいぐいGlquojsr
さ和鳥 - 麻布十番
の帰りはこれ。
麻布十番商店街 月島家
まだまだ入ります。
こんな烙印がはいりました。

おとーさんがいい人過ぎて、手元で焼きあがっている今川焼きが
心配です。




ベタな買い食い。美味。
今川焼にカスタードクリームは邪道でしょうか?




2006年9月10日日曜日

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珠玉のコレクションをじっくりゆっくり拝見させて頂きました。

いずれも大きな展覧会ではゆっくり観れない名品。
ひとりじめ。

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神坂雪佳の金魚玉図はこの間の日本橋三越でおばさん達に占拠されゆっくり見れなかったし。


なによりうれしいのは、これ。
Lph0g7dd_s画像が無いので自前の図録から携帯写真してみた。
写メっていうのか。

ひんまがっちゃってるけど。若冲の「鼠婚礼図」
くやしいけど、やはり若冲の美意識にはひれ伏す。
ねえ、そこの若いの、彩色の動植ものばっか観てないで墨絵もみれっ。

北斎の美人図なども、浮世絵はねぇ〜などと突っ張っていられない美しい描写。
女達の間のみに発生する世界感を見事に盗み見ている絵師の妙。
なめていられません。

茶器の部屋には香が焚かれているのか良い心地。
なのにどんな手段をとっても
それでもまだ、茶の心はわからない。
頑張ってるチウ。



道頓堀今井

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道頓堀今井の親子丼。美味!

七味をかけても、また美味!

これがあるから十番の「さわ鳥」に行けなくなっても生きていける。

十番にちょっと下って行くより大阪に来る頻度の方が多い人生です。涙。





本日も胃拡張ぎみ。
大変美味しゅうございました。









本日のうっとり

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九月のお楽しみが終了。
手前の雨漢は見事に
名古屋、大阪と、にわか豪雨を従えて登場。
なんばHatchは大きさもちょうどいいし、
天井も高いので照明が美しくて大好きです。
きもちよく唄えたんでしょうか。

では、また。年末に。

2006年9月2日土曜日

本日の岩上先生

京都・観光文化検定試験に先立つ対策セミナー
(通称)京都検定はぜんっぜん受ける気はないんだけど、
大好きな岩上先生の講演を都内で聴講できる稀なるチャンス。
去年から都内でも開催されるようになったけど、去年は知ったときには満席。
それ以来ずーーーーっと目を光らせておりました。
と、今回は、1回の定員も多く、且つ、 土曜コース 日曜コース、各午前、午後の2回。
余裕で土曜日の午前の回を申し込めました。
かんげきー。


京の儀式作法書改訂版   縁起物

もうすっかり秋の日和。
会場となる明治大学泉校舎の中庭は快適。木陰の風は至福のここち。
・・・。おべとう持ってくればよかった。

講演初日の初回で、初めてお会いする岩上先生は
京都テレビでみていたより厳めしい雰囲気。
本当は厳しいひとなのかも。東京、嫌いなのかも。
と、少し悲しい気持ちになる。

マイクがコードレスじゃなくてご機嫌悪いのかなとか、
満席じゃないからかな。とか、単に東京人が嫌いなのかな。とか探るウチに
どんどん話に引き込まれて行く。

テキストとして京都・観光文化検定試験改訂版を事前購入する必要があったけど、
おかまい無しに話はすすみ、岩上節で広がって行く。
時間が足りない、話そうと思ったら一晩必要だと、折々におっしゃる。
美しい文化と伝統をそして、伝える事を愛して止まない。
できれば私も一晩中お話を伺いたいです。

話が高うじてきても、たまに、京都がお好きでこの検定を受けられるかたも、
検定は受ける気無いし、京都なんか嫌いだからあえて話を聞きに来た。
という方もあるかもしれませんが、・・・
と、挟まれるのは、やはり関東圏で講演をしているというフィルタが
どこかにあるのかなともおもいました。
やっぱり関東人のリアクションて薄いのだろうか。
京都や関西が嫌いで2000円のテキスト買って受講料払って来る人いないだろ。
と、つっこみつつ。
じゃあ、京都で先生の講演を聴いてみたいと心に誓うものでした。

講演の内容は京都テレビで岩上先生のおっかけをしている私としては、
新しいということはそうそうなかったけど、
ますます先生の愛故の熱がはーとにぐさっときました。

印象に残ったお話の中で一つ、紅白の水引きの話。
赤白とは異なる紅白の水引きは、今では職人が居ないため、皇室の御用も危ぶまれているそう。
黒紅にも近い紅の水引きは松やに(だったかな)から作られていて、
一見、黒く見えるそれを水をつけると手が紅に染まる。
それを目の前で実演して下さいました。貴重な品なのに。

以前この紅白の水引を皇室が大量に発注した際、職人不足により調達できなかった業者が、
模造品を納品したところ、美智子妃殿下が自らの手を水で濡らし模造であることを見極められ、
それらは返品されることに。
ところが返品された業者は逆に「返品して下さった」と喜ばれたそう。
我等が国の象徴が真物を知り、見抜かれる人であったことは確かにホッとさせられる話です。
流石は本物のお姫さまです。織り目正しい教育を受けられた人なのだな。と関心。
嫁も少し我が侭をやめて見習ってほしいよね。

検定合格を志すならテキストは隅々まで読んであたりまえ。
今はカオを上げて私の話を聞きたまえ。と云うくらいの魅力的な話術。
では、わざわざ事前購入したテキストは。というと、
これが案外、興味深い内容で、稀にある時系列を無視した展開を気にされてはいましたが、
一通り読むと最近流行りの「へえ〜」の本とか、常識診断系の知識本。
京都から派生した文化がいかに多いか、関東人でもしってて邪魔にならない知識満載。
いままで片眉上げてみてたけど、訂正します。
受験する気は一切ないんですが。

岩上先生、又来年〜。
京都でお会いしたいです。


京都・観光文化検定試験改訂版