2006年4月6日木曜日

夜桜薪能を堪能する

靖国神社奉納夜桜能

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武道館には毎年行く用事があっても、靖国神社は初体験。
その存在の微妙さ加減が良く判らなかったのと、
なぜか、なんでもやたら大きい造りが理解しがたかった。

ところが、立派です。この日の為にあつらえられたのかと思うシチュエーションの能楽堂。
見事に覆うように櫻の天井が。

春はなにかと野暮用が多かったため我慢して来たいろいろな催し物の一つ。
良い席を確保できたので感激で堪能して参りました。
今年の春はかなり充実してる。(それなりにです、それなりに。)

このところ朝夕の寒暖の差があり櫻の開花の足が速い割に
夜間の冷え込みが随分ある。
この日も日中の気温のわりに冷え込みが酷く、野外は少しつらかったかな。
何分にも初めてのため、対策が甘かった。

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それでも始まってしまえば見入るばかり。
時折吹く冷たい夜風も満開の櫻の花びらを散らす美しさに
寒さなど感じず、鼓の音も冴える。
古の人が遊ぶ屏風絵に入り込んでいるようで、龍笛の音をバックに青白い月を見上げたり。
贅沢してます。

この日の演目:
舞囃子【忠度】
狂 言【二人大名】
能【船弁慶】間狂言

二人大名の野村万作さんの絶妙な表情の運びが本当に惹き付ける。
ただおかしいだけじゃ無いのが本物なんだね。
ちょっとくらい知った名前があった方がいいとも思ってたけど、
野村萬斎さんもとても美しい人で、テレビのcmに出演してたりの
イメージとはぜんぜん違っていた。
舞台に据えているときの静かな存在感がその人をこんなに美しく見せるとは。
生まれながらのお家芸というだけではない、自らの意志の力強さが
そう見せているんだなと感動した一夜でした。危うく好きになっちゃいそうでしたぜ。
エンターテイナーとしてのレベルの高さに脱帽でございます。
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次回も是非堪能したいものです。
※膝掛けとカイロとお弁当を用意して。