2006年3月30日木曜日

本日の学び

一度は試したくて今までにも機会あらば毎回打診してきたけど、何事もなかった様にスルーされるかきっぱり断られてきた。
今回は一人だったし。急だったから他に丁度いい便が空いてなかったし、ケチッてみたり、神戸空港が使いたくて、神戸空港はそれしか就航してないのかと思ってたし。実はブランドなんて大して関係ないんだよとか思ってた矢先に社長が謝罪会見してた。ので、その場で予約。誰にも内緒。言えば勝手にANAのチケット買ってこられてしまう。

たまに自分がジェットコースターが全く駄目なことをすっかり忘れてたりして、大変な後悔をしたりしてる、ことさえも忘れてたりする。
但、モットーは「反省しない」なので味わった恐怖さえ既に忘れてる。

星印のグランドホステスはものすごく感じが良く、明らかに一元さんを見抜いていて窓側を確保して下さる。願ったり叶ったりだ。
忘れたけど搭乗口集合時間がやたら早かったきがする。けどマイペースは崩さないことにしてるからおかまいなしにフラフラしてると、搭乗便のアナウンスがながれる。ドキドキしたが違った。座席列で区切り、後方座席から搭乗を誘導しはじめた。
・・・。怪しい。素直にサービスとは思えない。
チェックインの時、精一杯のサービスかのごとく「前の方のお座席をご用意いたしますね。」と美しい笑顔を向けたねーさんが頭をヨギル。
スーパーシートの設定はなかった。
つられて搭乗口へ向かう。
用意されている機体に不快なラッピングは施されてはいない。これで負荷が多少軽減する。
ものすごく若い番号の列だったので重役搭乗。別に料金は多く払ってるわけじゃない。

搭乗口には郵便局印。貨物?

機内に入ってみれば、早く乗ろうがチンタラ最後に乗ろうが、みな平等。てか、
通路イッポンしか有りません。
なかった事にしようにも振り向けばエアホステスが不審そうに寄って来る。「降りたいです」と言い出す度胸もないから「毛布はお借りできますか?」と言ってみて後悔。それも削減されてるかも・・・。と目を游がせていると笑顔で毛布を手渡される。オールインクルージブルだろうか。後で
ブランケット 1
スマイル 1
でオプション請求来ないだろうか。
だったら今からでも倍でも払うからANAのチケット用意してください。お願い。

イッポン通路がこんなにも人を卑屈にする。


まだある。

みなさんと一緒に死出の、じゃなく空の旅をする乗務員は6人です。
機長と副操縦師二人を引いたらエアホステスはサンニン。暴れだした私をサンニンで止められるのだろうか。
エアホステスの一人は男子だ。そんなの、もう既に乗らないと決めてるユナイテッド以来だ。その男子がさっきから救命胴衣と酸素マスク装着の実演を初めてる。これだってこんな目の前で見るのは何年ぶりだろ。
あ。
前面にモニタが、ないんだ。

皆様の座席の下に救命胴衣は備えてられております。
本当だろうな。人知れず右手でオシリの下をまさぐる。
己の生への浅ましさをつきつけられる。これもオプションか。


男子は救命胴衣を装着したままエアポケット、じゃなかった収納棚の確認に回る。
戻ってきてそのままで機長の紹介。機長は自分で名乗り出ない。外人だから。名前を言われても国籍が判別出来なかったので全く印象に残らない。
あんな感じとかあっちの方とかも浮かばない国籍不明の機長にうすっぺらな命を預けて
当機は今から滑走路へ向かいます。バックで。

ずーっとずーっと、バックで。


まだバック。
このままバックで滑走路に着いちゃたらネタだな、とか思っててもまだバック。
目の前に真っ直ぐな道が伸びる。バックでここまで来ちゃった。
間髪を容れずにに真っ直ぐな道を今度は前進。飛ぶ気か・・・。乱暴過ぎやしないか?
乗員も乗客も心を一つにして飛び立たなきゃならない時に、まだそんな事考えてる。
考えてる間も一所懸命前進して走ってる。
どうした。がんばれ。思い切って飛んでごらん。お母さん見ててあげるから。
どうして飛ばない。そっち行くの?整備庫?これから?入るの?うそ・・・。

立ち並ぶ整備庫に突っ込む様に間をすり抜け拓けた視界は大井町ジャンクション。
湾岸線の高架を渡る当機。お前もだったのか。
あ、スターフライヤーだ。真っ黒だ、かっこいいな。見れた見れた。おさきに~、だ。

国籍不明の機長が腕を奮う。腕が震える。のか、経験したことのない小刻みな横揺れを体感している。
夜行バスの居眠り運転疑惑を思い出す。
駄目だ。と思った。駄目だと思ってても恐怖心はとめどなく溢れる。
飛行機が空恐ろしいものだと、人間が分不相応な領域を犯しているのだと、初めて自覚した。
旋回する機体は目の前に飾壁画の様な海面マンダラ図を映す。なんで海面とポンポン船がそこに?
積雲に撥ね除けられそうな位不安定な揺れが旋回しながら続く。
赤ん坊が泣き出した。おかげで正気に戻った。
でも、二度と乗らないと思った。

帰りはJALだし。
星印とのコードシェア便ってなんだろ。