2007年2月2日金曜日

本日の懺悔

ginkaku2.jpeg京都タワーに思案するロダン君

通常の書き出しであれば、京博の新春特別展覧会で京都御所障壁画を見てきました!
となるわけだけど。それは予定的に国立博物館パスポートの更新までに特別展観覧枠に余裕がありそうなのでそちらは併せて鑑賞というのが正直。
お目当ては去年の春からずーっと、次回公開になったら何があっても京都に行こうと決めていた応挙の群鶴図の金屏風。
2年くらい前の新出だったかと。
去年の新年に初公開された、目を疑うほどの保存状態を誇る金屏風。
どこぞの旧家の蔵からでてきたそうですが、おそらくほとんど使用されることがなかったであろう状態に、京都っていったいどーなってるんだ・・・。四次元ポケットか。

どういういきさつで仕舞い込まれていたのか当時の背景に、想像するのも楽しく、
予ねてから、来る目出度い席の日のために注文されたものであるのに、開かれることがなかった事情など、
二百年以上という時間をさかのぼる遊びをしてこの屏風の前のソファーで1時間くらい。
新館では特別展が大盛況なのに。


ginkaku.jpeg近世絵画特有の鶴のこの表情。
当時の画師には十八番の画題でも尾羽に出る印象はあまりに様々。
鳥図については女性美をストレートに表現している程、私は好み。画師はやっぱり漢がいい。
花を描くよりも鳥の描き方にその画師の女性感が出てて、画題として明らかに生える雄鳥に対となる雌鳥を如何に描いているかで、あったこともない画師にときめいたりして。

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折り重なる群鶴のバランスは6曲1双の幅を中心上方へピラミッド型に集めていく象徴的な反重力。
初めてこの作品を知ったのは狩野先生の講演会でのスライド。
今すぐにでも飛んでって実物を見たい。という衝動に強くかられた。
実際に目の前にして1年間膨らみ続けてた期待を裏切らない求心力はツキナミにも、画師の魂、としか、他の言葉で表そうにも無意味なあがきにしかならない。
それゆえ、200年を超えて今に現れた意味を知りたくなる。

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この全景、宇宙を思わせるような気がしません?


京博の展示は1つ1つに必ず解説付きのキャプションが設けられていてその内容が独特。
基本的な観覧の知識のほかにその画題や作品に踏み込んだ目線をさりげなく提案している。
音楽を鑑賞するのと同じくらいひとつの画の中にはアーティストの感情があらわにあるはず。
それを察するための訓練が楽しい。

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ところで、・・・。
東博では、撮影禁止のキャプションがあるもの以外は写真撮影可能なもので、この群鶴図屏風や友松や等伯なども禁止の札がないし、止められないので今回はデジカメしまくってしまいました。
群鶴図屏風の時など、座り込んでるソファのとなりに明らかに学芸員かとおもわれる首からカードをかけた女性が座ってたけど、なにも注意してくれないから調子に乗って撮ってたけど。
今さら考えると、この屏風も個人のを依託収蔵しているはずだし、友松と等伯も寺の依託収蔵・・・。プライベートコレクションだよな・・・。
学芸員さんはそういうことは止めたりしないんだろうか・・・。よかったのかな。商売する訳でもないので、まいっか。








新春特別展覧会/京都御所障壁画−御常御殿と御学問所−
2007年1月6日 (土) 〜2月18日 (日)


■1月31日(水)〜3月4日(日)
絵巻
[江戸時代]
四季富士図 円山応挙筆

近世絵画
[桃山時代]
◎雲龍図〈もと襖〉海北友松筆(建仁寺)(写真)
[江戸時代]
◎群鶴図屏風 円山応挙筆